「投資詐欺はなぜなくならないのか」
投資詐欺は多数被害を起こしやすく、被害総額も甚大になりやすい詐欺と言えます。特に投資事業組合などによる詐欺や企業による詐欺の場合は、契約書の内容によって巧みに詐欺罪の適用を避けようとしていたり、投資事実などを作り出していたりして、一見詐欺とはいえないように見えてしまうものもあります。
投資詐欺の多くは自転車操業である。
次から次へを被害者が生まれる仕組み
例えば、詐欺投資会社にAさんが100万円投資したとします。多くの詐欺投資会社は破格の配当を出すと約束し、元本を保証するといいます。それでは、Aさんは月利3%の配当をもらう事になっていたとしましょう。すると、詐欺投資会社は、翌月に3万円の配当を出します。その後、これを半年も続ければ、Aさんは詐欺投資会社を信用して、さらに多くの配当を得るために300万円を預けます。月利は3%ですから、100万円+300万円=400万円の3%の12万円を配当となります。この先は、詐欺投資会社から「さらに大きな投資があって追加ができないか?」とか、「友人知人を紹介してくれないか?」等の誘いを受けます。たいていの人は大目のお金を借りて投資するか、友人を紹介します。AさんはBさんとCさんを紹介しました。このように、詐欺投資会社は、高利元本保証によって、顧客を増やし、多くの金銭を預かります。しかし、元本保証のため、預けられた元本が多くなればなるほど、自らが払う配当金が高額になってきます。ですから、2年から3年ほどで、配当金の支払いが厳しくなり、金融事情やニュースなどを名目に破たんした形を形成し、逃亡してしまうのです。
馴染みの無い投資
例えば「FXは儲かる!!」という話題たくさん飛び込んでくれば、多くの人がFXを始めます。しかし、それから半年も経てば、リスク商品であるFXで多額の損失を出すという話題が飛び込んできます。世界でも稀に見る預金大国である日本では、投資と言うものに馴染みの無い人が多いのです。こうした風土が投資を儲かる魅力的な商品と考えさせてしまうような誤解を生じやすいのです。
投資にはリスクがあることを認識させない投資詐欺
投資詐欺の多くは、元本保証を謳っています。つまり、損失が出ても元本を保証するというのです。そして、一般的に馴染みの無い投資のチャートや日足などを使ったり、システムを紹介して、どのようなリスクヘッジをするか説明するのです。投資の専門家がそうした説明を受ければ、場合によっては一発でそのリスクを指摘できるかもしれませんが、投資初心者の人には、言葉の意味もわかりません。そこで、話の概要だけを理解しようとしてしまうのです。それが大きな落とし穴になってしまう原因でもあります。なぜなら、詐欺投資会社は、「元本保証」「高配当」「適当な安全の理由」「適当なリスクヘッジ」を説明します。これを要約すれば、「安全で儲かって、安全で安全」となってしまいます。
相手をよく確認すれば、被害の多くは防げる。
詐欺投資会社の多くは、会社存在のない会社が多いのです。(T.I.U.総合探偵社)
つまり、その会社の存在を確認した時点で、会社の存在が無い事が判明し、所在地にオフィスも無い企業が安全な元本保証ができるわけが無いという考えが浮かびます。この段階で、投資をしないという選択肢を選べば、何の被害も生じません。