契約とは
契約違反・契約不履行の前に契約とは何かをまず考えていきましょう。口約束でも契約は成立
法律では「契約自由の原則」があります。これは、誰でも自由に契約行為ができるというものですが、契約は必ず書面で行わなければ成立しない等ということは書かれておらず、意思表示があれば、契約は成立すると考えられています。つまり、口約束でも契約は有効に成立するわけです。
契約の制限
契約は誰でも行う事ができますが、意思表示が困難であったりする人にも契約が自由であるとすれば、多くのトラブルが起きてしまいます。例えば、生後間もない乳幼児に契約行為ができるかと言えば、不可能ですから、そうした身分の人を保護する必要があるわけです。主に保護の対象となるのは、「未成年者」「披成年後見人」「披保佐人」「披補助人」となります。また、細かな制限があります。
サインや押印など
例えば、サインを書いた覚えがない書面に自分の判子が押されていた場合、その契約は有効かといえば、所論ありますが、意思表示がなされていないのであれば、そもそもの契約が無効です。しかし、その判子を誰かに預け、委任などの行為をしていた場合、その契約は有効となる場合があります。それとは逆に、判子は押してないが、確かに契約する意思表示のもと、自著でサインした場合、その契約は有効であり、一方的に破棄できないと考えられます。
書面は後のトラブルのため
商取引や金銭の貸し借り、オークションの参加など、人は多くの契約を行いながら生活をしています。多くの契約は、契約書が作成され、互いにサインと押印をして相互に契約書を保管するという方法で行われます。契約事を書面化するのは、後のトラブルや取引などの条件確認などのためにとても役立ちます。
契約不履行・契約違反
契約違反・契約不履行は、トラブルとして頻度の高いものです。契約違反・契約不履行とは
例えば、A君がB君にお金を借り、借用書を作ったとします。その借用書には、「A君は毎月給料日25日の翌日にB君の下に金1万円を持参する。」と書かれていたとします。はじめのうちは、真面目に持参していたA君ですが、途中で面倒くさくなり、返さなくなってしまった場合、これは、契約違反・契約不履行となります。
契約違反に当たらないケース
「公序良俗に反する契約は無効」ですから、公序良俗に反する契約を守らないとしても、それは、契約違反とはなりません。例えば、愛人契約などは公序良俗に反していますから、そもそもの契約自体が無効です。よって、契約書を交わしていたとしても、その内容に従う必要はないのです。
契約違反・契約不履行の場合の限界
一般的に詐欺だと思われるケースでも、証拠隠滅や立証が適わない場合、契約不履行・契約違反となります。こうした場合、契約違反等による金銭的な請求が限界だと考えられています。しかし、例えば、すでに金銭などを使い込まれてしまった場合などは、現実的に金銭的請求は、請求権にとどまり、実質的な回収は困難となります。