結婚詐欺とは
結婚詐欺は恋愛感情などにつけこむ心理的苦痛の多い詐欺です。結婚詐欺の特徴
結婚詐欺とは、出会い系サイトなどで出会った相手が、結婚を約束することで相手を信用させ、相手から金品を搾取する詐欺です。すでに相手を信用してしまっていることから、お金を貸す際に借用書など書面を交わしていないケースが多く、また銀行振り込みではなく現金手渡しの場合だと、そもそも貸したかどうかを証明することが困難になってしまいます。
婚約と結納
「結婚する事を約束した。」という事の立証は、婚約をしたかどうかを立証する必要がありますから、主に「婚約」をしたか、または結納金などのやり取りがあったかなどが問題となります。(ただし、状況などにより結婚の約束が信じるべき場合は、結納などの明確な証拠は必要ない。)
結婚詐欺の事例
代表的な結婚詐欺の被害を紹介。幸せな結婚するはずが・・・。
代表的な事例
渋谷のスポーツジムに毎朝通っている白石百合子さん(仮名)は、ジムのトレーニング中に青山圭介さんと知り合い付き合うことにしました。青山さんは表参道でWebデザイン会社を運営しており、百合子さんは何度かノートPCで自分の会社で制作した企業のHPを自慢されました。それは、外資系のホテルや地方の有名な人気温泉宿のHPでした。青山さん曰く「昔に比べてCSSでスタイルシートが使えるようになったし、今はAjaxの開発環境でXML形式でやりとりできるからほんと便利だよ。」と百合子さんにはよく理解できないこと聞かされましたが、なんとなくすごく仕事ができるんだなあと百合子さんは思っていました。何度か高級なレストランで食事をおごってもらい、来年には結婚しようと約束までしましたが、突然全く連絡してこなくなりました。こっちからの電話にもいつも留守電で、ようやく連絡がついて会った時は、青山さんはすごく落ち込んだ様子でした。「会社の経理担当に今月の売上を持ち逃げされたんだ。」と青山さんは言います。「月末に取引先への支払いが300万円あるんだけどこのままだと不渡りでつぶれてしまう。どうすりゃいいんだ。」。青山さんの落ち込みように、百合子さんはつい「300万円だったらなんとか用意できるけど」と言ってしまいました。最初は迷惑かけるわけにいかないと言っていた青山さんですが、百合子さんの少しずつ返してくれればいいからという言葉に、来月以降商品を納品した売上で必ず返すからと、百合子さんのありがたい申出を受けました。「口座は止めたんだけど、経理担当に通帳も持ち逃げされたから、今度会う時に現金で渡してもらえるかな。」青山さんはそう言って、次回会った時に百合子さんから300万円の現金を受け取ると、それ以降一切連絡がつかなくなりました。携帯電話は解約されており、百合子さんは表参道にあるという会社を探したのですが、そんな会社は見つかりませんでした。HPを作ったという会社に聞いても、実際にHPを頼んだのは全く別の会社でした。百合子さんがようやく詐欺だと気づいたのはその頃でした。
結婚詐欺の特徴
結婚を前提にすることで、相手を信用させ、事業のトラブルや他トラブル、親の借金などを理由に金銭を騙し取る方法が目立つ。信用している状態であり、結婚を前提としている(親族となることを前提としている)ため、借用書を含め金銭を渡した証拠となる資料が乏しい事が多い。
金銭を渡した事が確認できる資料
- 借用書
- 振込証明書
- 銀行通帳
- 受領証
- 預金証
- 受取証など
上記の資料などで、重要な内容は下記の通りです。
- 金額
- 返済期限
- 支払方法
- 誰から誰に金銭が渡ったか
- 受領日など日付(年月日)
- 氏名・住所
内容は他にもありますが、例えチラシの裏にかかれた文書であっても、本人の直筆で、内容がしっかりと明確なものであれば、裁判の資料としても有効になります。
詐欺被害報告 結婚詐欺
情報提供:T.I.U.総合探偵社
<相談・・・詐欺被害報告より>
結婚をちらつかせて女性からお金を借り、その後行方をくらましてしまった。私は、携帯の出会い系サイトで自称29歳のアパレル系会社員と知り合いました。彼は離婚歴があり、子供は二人いるそうですが、子供は前妻が引き取っているそうです。
彼は離婚後の慰謝料等々を理由にお金を貸して欲しいと言ってきました。それがすっきりとしたら私と結婚の約束をしてくれたので、合計300万円程を渡してしまいました。
しかし、仕事が忙しいと言いあまり会えなくなり、結局、いつの間にか転居されていて、携帯も繋がらなくなりました。
本件結婚詐欺の特徴
離婚歴のある男性を装い、結婚を約束し慰謝料等の金を要求する。金を受け取った後は連絡が途絶え、行方もくらます。
アドバイス(T.I.U.総合探偵社により既存解決済)
結婚詐欺の終結は、基本的に相手が姿を消す事です。行方知れずとなることが、結婚詐欺の完了を意味すると豪語する詐欺師も過去におりました。
そのため、その行方を確実に判明させてしまう事がもっとも早い解決となります。また、本件では、離婚歴があり子供を前妻に預けているとの発言があり、この事実自体が虚偽なのか真実なのかハッキリさせることによって、金銭を詐取したのかどうかが明らかになります。
また、ひとつ疑問点があるとすれば、もしも相手に子供がおり、その子が離婚した元妻のところに居るのであれば、通常、親権は元妻にあります。日本法では、離婚後は夫婦どちらかの単独親権になります。特に元妻に親権があるとすれば、その男性は子の養育費を支払う義務がありますから、その子の問題も含めた場合、子が成人するまで、もしくは子が教育期間(多くは4年制大学)を卒業するまで、教育費を含めた養育費を請求されてしまいます。そして、その金額は1千万円を下りません。
つまり、300万円ほどで全てが解決するというのは、いささか考え辛いと思います。
本件ケースは民事裁判にての決着のためその詳細は本稿からは除外します。
質問の多かったケース
Q、探偵社ではこうした場合、住民票や戸籍謄本を所得するのですか?
A、どのような事情があれ、他人の住民票や戸籍を正当行為以外で所得するのは違法行為であり、その方法に違法性があれば、犯罪になるケースがあります。無責任な探偵事務所が、こうした公的書面を入手するとありますが、それ自体が犯罪行為である可能性が極めて濃厚であるため、こうした資料は裁判を通じて、裁判所の許可の下発行を求める事が妥当です。もしも、そのような行為で探偵事務所等が問題となった場合、それを依頼した依頼人も共同正犯などで罪に問われる可能性がありますから、十分に調査方法については気をつけて下さい。
ちなみに、自分の住民票や戸籍が誰かに取られたかどうかは、管轄の役場に開示請求を行えば簡単にわかります。
ただし、事実の借用書があれば、通常の場合、住民票は発行するはずです。