付郵便送達
付郵便送達とは裁判の被告となる相手が住所地に居住しているのに、居留守等を使い不在を理由に訴状を受け取らない場合に、書留郵便に付する形で普通郵便を発送することで相手に送達されたとみなすことができる制度である。
効果は発送した日から発生するので、相手に配達されずに裁判所に返送されてしまった場合でも送達はされたことになる。したがって、この送達も受け取らなかった場合でも、審理は進行するので相手側が裁判を欠席すると反論がないものとされて原告側のほぼ全面勝訴になり即日判決が出る可能性がある。
付郵便送達を申し立てるには相手が送達先の住所に居住しているという確かな証拠が必要である。相手が居住してる証拠は調査によって収集する。
証拠は、表札の有無や電気やガスメーターが動いているか、郵便受けの状況、生活感が有るか、また、近隣住民や家主、管理人への聞き込み等が対象となる。調査により相手が居住している証拠を取り、調査報告書を作成する。作成した調査報告書と相手の住民票を添付して付郵便送達上申書を裁判所に提出する。
付郵便送達を行うまでの流れは、まず、通常の送達を行い、次に休日指定などに再送達を行う。それでも不在を理由に受け取らない場合には就業場所に送達をする。就業場所でも受け取らず、また、就業場所が不明の場合に付郵便送達がなされる。
付郵便送達を申し立てる者に虚偽や調査の不足等の重大な過失のある報告に基づき送達がされ、相手側が訴訟の手続を行えなかった場合は、相手は損害賠償を請求される可能性があるので、正確な調査が必須である。
付郵便送達手続の流れ
・送達先住所に確かに居住しているという調査を行う。
・相手の住民票を入手する。(入手先:管轄市区町村役場)
・住居所調査報告書と付郵便送達上申書を作成する。(入手先:裁判所など)
・裁判所に上記の必要書類を提出する。
付郵便送達手続の詳細
付郵便送達は、裁判所書記官などの指示に従いながら手続を行っていきます。また、通常、弁護士さんに訴訟代理をしてもらってから行います。あまり一般の方が行う方法ではありません。
通常訴訟を前提として。
・注意:住民票の管轄は被告の住所地、戸籍は被告の本籍地の役場になります。
・注意:詳しい方法は係属している裁判所の書記官などに聞くことをお勧めします。
・必ず、債権関係を示せる書類を持参してください。
裁判をやる方のための手続「付郵便送達」
付郵便送達は裁判をやるための「訴状など」を送達する手続ですから、裁判をやらない方は利用できません。(民事訴訟)
就業場所がわからない場合
多くのケースの場合、就業場所まで知らないということがあります。調査会社などが調べれば別ですが、それでも無職とか自営業であって場所が確定しないとか、法人化しているが自宅と同じところが所在地であったりします。
こうした場合は、書記官によって一応の送付などをして、付郵便送達へ移行する場合があるようです。